カミーノ・デ・サンティアゴの魅力とは?10の理由

カミーノ基本情報

こんにちは。a92です。
再びカミーノを歩こうと決めてから、なんだか楽しい気分です。日々、大変な状況ではありますが、心持ちでこうも違うものか、と思います。



さて巡礼路のことをカミーノと言い、巡礼のこともカミーノと言います。ここでのカミーノ・デ・サンティアゴはサンティアゴ巡礼全体のことを指してそう呼ばせていただきます。

改めてカミーノの魅力について書いてみようと思います。

では、今までブログで使ったことのない、最近流行りの目次つき箇条書きシステムで書いてみることにします。(最近このタイプのブログが多くて、実は私はこのシステム、いちいちウザいと思っているのですが、そんなこと思っているのは私だけで、どうやら人気のシステムらしく、それを導入した方がよいそうです。なので、使います。)

カミーノ・デ・サンティアゴの魅力は?

1.広大な自然の中、地平線まで続く一筋の道を歩く開放感

サン・ジャン・ピエ・ド・ポーからレオンまでの道は特に視界の開けた360度パノラマで、あるのは地平線まで続く一本の道(カミーノ)と丘、ぶどう畑や麦畑の広大な風景です。
私が歩いた5月は新緑の美しい季節。真っ青な空に描かれた飛行機雲、耕された土のこげ茶色、菜の花が咲き乱れ輝く黄色、風になびいてさざなみのように動く麦畑のグリーンが組み合わさり、まるで自分がアートの世界に入り込んだようでした。早朝、その中に自分一人身を置いたときの開放感は言葉にできません。

2.世界中から集った人々がひとつの目標に向かって進む

photo by sammi

他の旅行では出会いがあってもせいぜい数カ国の人、しかしカミーノで出会った人の国の数は20カ国以上、そんな世界中から集った人々がたったひとつの目標に向かって歩みを進めます。その一体感は他にはありません。

3. スペインにはバルがある

バル(BAR)はどんなに小さな町にもあって、朝はカフェ、夜はバーとして利用できます。
早朝、宿を出発してバルで朝食、疲れたらバルで休憩、到着後はビールやワインで乾杯。そして夕食。
コーヒー一杯1ユーロ前後、生ビールも一杯1ユーロちょっと、ペレグリーノ(巡礼者)向けメニューも飲み物込みで10ユーロちょっと。タパスと呼ばれる小皿料理は一人旅の強い味方。
バルがあるから食事にも休憩にも困ることがありません。
ビール好きの私。前回のカミーノを歩く理由のひとつが「歩いた後にビールを飲むため」でした。
目の前にぶらさがった人参にありつくために毎日がんばれるって素晴らしい!

4.沢山の出会いが転がっている

一人旅好きの私はこれまで人との出会いを求めて旅をしていました。どんなに景色が素晴らしくても出会いのない旅は印象に残っていません。
カミーノでは毎日、沢山の出会いがあり、「ブエンカミーノ(良い巡礼を)」の挨拶ひとつで老若男女問わず、すぐに仲間になれます。互いの目標はひとつ、同じ道を歩き、何度も何度も会うのですから。そして、辛さも楽しさも知っている仲間たちは特別な絆で、帰国後もSNSを通じて繋がり続けています。
私が仲良くなった仲間には人生のパートナーと出会ったカップルもいます。

5.ヨーロッパ旅行なのに費用が安い

一般的なヨーロッパ旅行は一日の予算は1万円くらいを見積もることでしょう。
しかし、カミーノはアルベルゲと呼ばれる巡礼宿は7ユーロくらいが平均的な値段でした(2018年)ムニシパルと呼ばれる公共の巡礼宿は寄付制のことろもあり、自分の思う金額を寄付します。
食事は自炊できる宿も多く、前回私が歩いた27日間で自炊は10回、それも大人数での自炊でしたので、飲み物込みで大体6ユーロくらいでした。
宿によっては夕食をみんなで作って宿泊者全員で食べるところ、オスピタレイロ(宿の世話人)が作ってくれて全員で食べるところもあります。そんな宿は寄付制のところが多いです。
バルやレストランの食事は巡礼者メニューが飲み物込みで14ユーロくらい。
朝食や昼食をスーパーで買った物で間に合わせることもできます。
ざっと一日30ユーロくらい、もっと節約するか、豪勢にするかはお好みです。

6.巡礼といってもかなりユルい

巡礼と聞くと、ひたすら真面目に修行のように道を歩くのかと想像してしまいますが、そんな人ほぼいません。クリスチャンである西洋人や南米の人も、なんでカミーノに来たの?と聞いても、神と対話したかった、なんて人いません。歩いているうちに仲良くなったカップルがいっぱい。奥さんがいないところで若い彼女をみつけたかった。なんて、おっさんが冗談のように言ってて、後にあれマジだったのか?と驚いたり。クリスチャンでなくても、仏教徒も無神論者も、誰でもOK。大人の修学旅行みたいです。精神的にたぶんお遍路よりもずっとユルいんではないでしょうか。(お遍路したことないけど)

7.古からの歴史溢れる道

ユルいとは言っても、やはり中世の頃から続く巡礼の道、各地に大聖堂や小さな教会、お城、朽ちかけた修道院跡があり、見どころも沢山。いたるところで数百年に渡る巡礼者の魂が宿っていると感じずにはいられません。
そしてサンテアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路として「道」が世界遺産に登録されいています。

8.観光地ではない小さな街を巡れる

スペイン旅行でバルセロナ、トレド、グラナダ、セビージャ、マドリード、といったメジャーな観光地に行った事がある人は多いでしょう。カミーノでは小さな田舎町を巡るので、旅行では見ることができないような景色に出会うこともあります。何日も歩いたスペインへの愛着もひとしおです。

9.カミーノに癒やされる

カミーノの計画中に続けて両親を亡くした私は心に澱のような悲しみがありました。カミーノに行けた喜びと両親を失った悲しみが混じり合い毎日泣きながら歩きました。
私にとって劇的なシーンが重なったフォンセバドンから鉄の十字架のあるイラゴ峠で号泣しながら歩いたあと、心にあった澱はきれいに洗い流され、スッキリと心が軽くなり、カミーノの後、両親を思い出して泣くことはなくなりました。
古くから巡礼者が歩いてきた道には人を癒やす力があるのだと思います。

10.何かが得られる

行くまで準備の期間が4年あったのに、私はまったく歩く練習をしていませんでした。焦って3ヶ月前にスポーツクラブに入会したものの、行けたのはわずか3回(笑)おまけに直前は忙しくて、ほぼ家の中で部屋からトイレとキッチンまで歩くだけ。一日100歩くらいしか歩いてないような状態でした。
そんな私が632キロ歩いたわけですから、そりゃ、辛かった。しかし、人間なんとかなる。
どんなに辛くても、足を一歩一歩前に出せばいつかゴールに辿り着けるのです。
カミーノの後、仲間の一人に「カミーノで探していたものは見つかったか?」と聞かれました。
「私は何も探してはいなかった。でも私は自信と大切な仲間を得ることができた。」そう答えました。



なんだかありきたりな魅力の説明になってしまいました。
きっと後から、そうだ、あれもあった、これもあった、と浮かぶことでしょう。
それは追々書いて行きたいと思います。

コメント

  1. Ana より:

    お久しぶりです。
    たまたま、以前のブログにお邪魔して、発見!

    コロナに怯え、今日をなんとか無事に過ごすだけ。
    「昔は旅行にも山にも行けて、婆友とも美味しいものいっぱい食べていっぱい無駄話が出来て、良かったなぁ。」と後ろばかり見ている毎日。
    そんな時に、再びカミーノに向けて始動!!
    素晴らしい!!
    その活力のおすそ分け求めて、又、時々お邪魔させていただきますので、よろしくお願いします。

    ちなみに下戸ですが、Barは大大大大好きです。

    • a92 a92 より:

      Anaさん
      お久しぶりです!コメントありがとうございます!!
      お元気そうでなによりです!
      この一年間、徒歩圏内の人としか会っておらず、出不精に輪をかけて、運動不足もひどいものです。
      カミーノに向けて始動したと宣言した割には三日坊主で投稿が滞ってます・・・
      まずはテンプル騎士団や十字軍について調べようと、塩野さんの本を読み始めたのですが、まったく進んでません(笑)
      まあ、行けるのは2,3年後だと思うので、のんびりと準備・・・(って前回同様、また直前に焦るというのが目に見える)
      今後ともよろしくお願い致します。

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